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東国三社巡り-その1 《鹿島神宮》

今年後半初日の7月1日、天気予報はなんとも憂鬱なものでした。集合時間より1時間近く早くに東京駅に着くと、雨のせいもあって薄暗い丸の内界隈に誰も人がいません。こんな東京駅は初めて見ました。
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早朝から開いている新丸ビルのカフェで軽食を摂り表に出てみると、鮮やかな深いブルーの綺麗な大型バスが到着しており、記入した健康チェックシートを提出・検温・アルコール手消毒の後、乗り込みます。
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出発予定時刻ぴったりに東京駅を後にし、いざ、鹿島神宮へ。途中、バスはとても快調に進み今日の行程がスムースに進んでゆく予感がします。10時きっかりにバスは鹿島神宮の駐車場に入りました。

本日一つ目の神社参拝の始まりです。

☆   ☆   ☆

鹿島神宮の御祭神である“武甕槌大神”は、大国主命の国譲りの際に交渉のため高天原から天降る神様です。その交渉は成立し、武甕槌大神は日本の建国に挺身され、後に、源頼朝や徳川家康などの武将の尊崇を集め、武神として仰がれるようになります。

現在でも宮中の四方拝で遥拝されるうちの一社で、その昔から、日本の日出ずる最初の場所として重要視された場所でした。

バスを降りて鹿島神宮の鳥居をくぐったまさにその時、月次祭が始まる雅楽の調べに迎えられました。
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東日本大震災で御影石の大鳥居は倒壊しましたが
境内に自生する杉の巨木を使用して平成26年6月1日に再建されました

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鹿島神宮楼門は日本三大楼門の一つ
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(左)鹿島神宮扁額・(右)香取神宮扁額
楼門の扁額の揮毫はどちらも東郷平八郎によるもの。鹿島神宮に天皇陛下が御参拝されることになった時、楼門をくぐる際に陛下を上から見下ろすのは…? と、文字を自ら消したのだそうです。
香取神宮の扁額には左に小さく書かれた名が残っていますが、鹿島神宮のものは消されています。
立派な楼門をくぐり進んでゆくと、夏越の大祓の茅の輪が残されていました。「7月の朔日詣りがここでできる」と嬉しい想いでいるところに加えて、一日遅れの大祓までできてしまい、なんとも心地よく幸先のよい出だしです。
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右手に社殿が見えてきて拝殿前にてお詣りです。社殿は徳川2代将軍秀忠公による寄進で、重要文化財に指定されています。人が少なく、厳かな空気の中で心静かにお詣りすることができました。
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高さ約43m・樹齢1300年の御神木が拝殿の屋根越しに見えますが、こちらの御神木に触るどころか間近にすることはできません。本殿を出来るだけ近くで拝見したくて横に回って傍に行ってみます。こうして横から近づきお詣りすることを“横詣り”と言うのだそうです。
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本殿後方に御神木が聳え立ち、この本殿に御祭神の武甕槌大神がお祀りされています
神社建築の象徴の一つである千木は美しくてかなり好きです
千木は本来は「神の力が宿った木」という意味を持ちます

ずっと奥にある奥宮は現在“令和の大改修”の工事中のため、本殿前の仮殿に神様が移されていてこちらでも儀式が行われていました。神職の一挙手一投足に目を向けていると心洗われ、気持ちも引き締まると共に安らかになってゆきます。
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鹿島神宮の境内の広さは東京ドーム15個分だそうで、その広大な森は“樹叢”と言われる、植生によらない自生した樹木が密生しています。樹木の種類が600種以上も有り、茨城県指定の天然記念物とのことです。ここからはそんな森を左右に見ながら進んでゆきました。
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その昔、参拝するには現在とは反対側から入ってきて
一般人はこの入口の向こう側からしか参拝できなかったそうです
(そこからでは実は拝殿本殿を正面に見てお詣りすることが出来ません)
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奥参道に足を踏み入れると、目に映る緑は織りなす光の輝きにあふれ、雨に濡れた木々からは清々しくも濃密な香りが立ち、しっとり落ち着いた美しさが心地よい。苔むした深い森の息吹は遙か昔の面影さえ感じさせてくれるようでした。

樹が雨を受け止めてくれるのか、さほど雨が降っている感もなく、このお天気の中で広大な境内を歩くのも苦にはなりません。むしろ雫に濡れた神社は神秘性が増し、幽玄の世界が顕れたかのようで、この日に来られて良かったとさえ思えました。
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ここは流鏑馬神事が行われもするので、300mほど真っ直ぐに続く路です。
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真っ直ぐに続く路の途中に鹿園があります。
鹿と言えば奈良、奈良と言えば鹿、と言われるほど奈良公園や春日大社の鹿は有名です。ですがその鹿は、武甕槌大神が召喚されて分け御霊をお乗せし、この鹿島神宮から奈良の春日大社へ行ったということで、奈良の鹿のルーツは鹿島神宮だという言い伝えがあるのは、多くの方がご存知かと思います。

古くから神の使者ということで奈良でも大事にされていますが、こちらの鹿たちはフェンスの中でした。雨の中、最初はみな鹿舎の中にいましたが、小雨になってくると一頭、二頭・・・あとはザザーッと走り出てきて何かついばみはじめました。子鹿が丘の上に登り、後になって降りて来れずに右往左往しているのがなんだか可愛くて頬が緩みます。

奥宮をお詣りした後、更に進むと右に左に路が分かれ、奥へ奥へ一歩足を進めるほどに、入口に“天然記念物 鹿島神宮樹叢”とあったことに心から頷くことができました。
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この石碑は御祭神である“武甕槌大神”。この地で地震を起こし悪さをする巨大鯰の頭を押さえつけている様子です。地中深くにいる巨大鯰の頭を鹿島神宮の武甕槌神が、尻尾を香取神宮の経津主大神が押さえつけ、人々が恐れる地震を鎮めた…との謂われがあり、その地中深くに石が差し込まれているのがこちらの“要石”ということです。
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地表に出ているのはほんの少しですが、水戸光圀公が参拝の折に、七日七晩かけて掘らせても根本まで行きつかず掘るのを諦めたとか。どこまで大きいのでしょう・・・

現在の参道入口から反対側の一番奥には「御手洗池(みたらしいけ)」という、一日400㌔㍑以上の水が湧き出す池があります。その昔は、訪れた人々は現在とは反対のこちら側から入り、御手洗池で禊をしてから現在の奥参道を進み、参拝したそうです。
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今でもお正月には200人もの人々が大寒禊を行うのだそうです。そして、この水の中に入ると、大人も子どもも水面は胸の高さを超えないという不思議がある池なのだと伺いました。鳥居に重たげな樹がおおいかぶさって、なんだか厳かな雰囲気が漂います。

鹿島神宮は、どこまでもどこまでも深遠で独特な世界観に吸い込まれてゆく感じです。一年以上に渡るお籠もり生活で固まってしまった身と心とが、そんな空気の中でほどけてゆき、ただただ喜びを感じることが出来るとても良い時間を過ごすことができました。

# by moonlight_ts | 2021-07-02 22:00 | 旅あちこち

4日目午後 工房巡りの半日

絵画に彫刻に建築物。フィレンツェは観たいものがあまりにも豊富過ぎます。中世から様々な文化が開花したこのフィレンツェは、職人の街でもあり、私たちが知っているルネッサンス時代の有名な画家や彫刻家のいわゆる芸術家たちも、元々は職人としてがその道の始まりでした。

“伝統工芸を支えている職人さんの作業現場を見学したい!”
そんな思いが、旅のスケジュールを考えていた時に湧いてきました。行きたい所、観たい内容の希望をいくつか出してガイドさんに連れて行っていただきました。


<モザイク工房/ PITTI MOSAICI>

オーナーの奥様(ヨーロッパナイズされた素敵な日本人マダム)が、ショールームと工房を案内してくださいました。ショールームに展示されている、目にも麗しく豪華な丸テーブルを前に
「こちら、聞いたらひっくりかえってしまうほどのお値段なので言えません…」
といきなり言われ、目を丸くする私たち。
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(残念ながらその品は撮影不可 このモノクロ作品を遥かに豪華にした上品な色合いのものでした)

一体、この工房はどんな所から依頼が来て、どんな芸術品を納めているのでしょう? 
工房に入ると、大きな貴石が色別にゴロゴロ。棚の引出しの中にはスライスされた石がザクザク。こうして置かれていると、ただの大きな石?
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そこに、職人さんがスプレーボトルを持って現れ水をスプレーすると・・・ツヤツヤとした綺麗な色と石の持つ表情が現れます。スライスして磨けばもっと綺麗になるのが解ります。

半貴石の自然な色とテクスチャーを使って絵を描く、とでもいうのでしょうか。『Painting in Stone』と書かれています。

奥に進むと熟練職人さん二人の方が作業中。下絵に合わせて色石を選び、スライスされた石のどこを使うか決め、必要な部分を必要な形にカットし、それを組み合わせて貼り付けていく、という細かい作業を繰り返して行っています。
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上:“これが草原、こっちが空に使われるんだよ”
下:空をバックにした遠景の糸杉の小さなパーツを調整中
右下の4つの細長い糸杉のパーツ、見えますか?

この小さな小さなパーツをカットするのが、なんと、ルネッサンス時代から継承されている方法で、その名も『ハンドカッティング』。弓状の針金鋸を使い、砥石の粉を付けながら切るのですが、このレトロにして繊細且つ優雅な姿に見惚れます。
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こちらもお土産用の額装にする作品作りで、蜜蝋付けの作業中

遠い昔から、モザイクで壁や天井や調度品を飾っていたことを思うと、石からアートを生み出すアイデアや技術がこうして大切に受け継がれて、一心不乱に製作している職人さんの姿を見ると、敬服の思いがフツフツと湧いてきます。


<彫金細工・メタル工房/Giuliano-Ricchi>

55年この仕事一筋というジュリアーノさんのメタル工房では、真鍮、銅、銀などで小物やアクセサリーを作っています。訪れると、ノスタルジックな古びた階段で地下に通されました。なんとも時代がかったというか、ルネッサンス時代もきっとこんなだったに違いない、と思われる古色蒼然とした作業場でした。

そんな中、ジュリアーノさんが喜々として次から次へと作品の説明をしてくれます。
「こうして型に真鍮の板を載せてプレスすると…
 ほら、こんな風になるのをいろんな製品に使うんだよ」
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「この小物たちは昔から伝わるロストワックス製法で
 こんな風にクリスマスのオーナメントも
 ここの作品はこうした二つの技法で作っているんだ」
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これはディオールに納めた物、こちらはグッチからの依頼、これはサンタマリアノヴェッラから委託されたもの云々… 小さく可愛らしいものからフォトスタンドなど大きなものまで、本当に沢山作っています。

「1€持っていたら面白いものをお見せしましょう」
一人が1€を差し出すと何やら四角いスチール製の型に載せて、一世紀働いているというプレス機に通しました。
すると、丸いコインが楕円の形になり、しかも、フィレンツェの市章であるユリの紋章がレリーフとなって押し出されてきました。
「わ〜〜♪」
女子ですねぇ、、、記念に、私も私もと。
ジュリアーノさん、嬉しそうに結局4回もプレス機をかけることに!

1階に戻るとショップでは奥さんやお孫さんが会計や包装を手伝い、家族総出のお見送り。自分が今できることをして家族ぐるみで工房を維持していくってなんだかいいな〜。とてもアットホームで、心がほんわりと優しく温かくなる工房でした。


<銅板印刷工房/L'Ippogrifo Stampe d'arte>

次に行ったのは、繋ぎの時間にとガイドさんが予定に入れていてくれた、なんだか厳ついおじさんがやっておられる銅板印刷、エッチングの工房です。

いかにも職人さんらしい感じ。必要なことを一通りきっちりと説明した後、デモンストレーションが始まります。
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あぁ、、中学の美術の時間にエッチングの作品を作ったことが思い出されます。銅板にニードルでひっかくように絵を描いて、こんな風にプリントするんだ!! と、初めての経験にとても興味を抱いたことが懐かしく思い出されます。

銅板エッチングは、ヨーロッパ各地で1500年代から印刷の始まりとして使用された技術です。銅板に正確にデザインを彫りこんで版を作るのは一番大切な作業で、失敗は許されません。
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マエストロのジャンニさんは生粋のフィレンツェっ子。一流のAcademia Delle Belle Arteという美術学校を出てアーティストの道に進まれたそうです。そして、息子さんが跡継ぎとして勉強中とのこと、ジャンニさんも頼もしく思っているでしょうね。

生真面目なジャンニさんらしく、作品はサイズ別・ジャンル別に、整然と分けられ展示販売されていました。私はカラーをつけたものより、明暗のみで表現する単色のエッチングが好きで、以前は数枚部屋に飾っていたことも。エッチングの味わい深い描写を楽しむために、出してきてまた飾ろうと思ったのは言うまでもありません。


<額縁塗装、修復/レオーネ工房>

絵画につきものの額縁ですが、美術館に展示されているものの中には、あまりに豪華な額の方に目がいく、なんてことがありませんでしたか? 誰がどんな風にこんな凄い額を作るのだろう!? よく思ったものです。
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レオーネさんの工房は、なんと! 世界中の名だたる美術館からの依頼で、その豪華な額縁たちを修理したり依頼されたりする工房でした。凄いです!!

そのように貴重な品を扱うからといって作業現場が仰々しいという様子は微塵もなく、レオーネさんの娘さん二人が楽しそうに朗らかに仕事をしていました。こちらがびっくりするほどのフランクさと底抜けの明るさです。これがイタリアン!? でも、作業中のまなざしは真剣です。
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金箔を少しずつ貼っていく作業は見ている方が緊張します

長女のシモ-ナさんと次女のヴァレンティーナさんが父親の仕事を受け継ぐことに喜びを感じているのが真っ直ぐに伝わってきます。

父である『レオーネさん』の呼び名は実はニックネーム。若い頃はふさふさとした金髪でまるで雄ライオンのよう、と皆がレオーネと呼んで、工房の名にも使用したそうです。このレオーネさん、この道63年… 
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奥にも作業場があり、レオーネさんはそこで作業をしていましたが、金庫から額を取り出し、明日にも納めるというとても貴重な額を“内緒だよ”と言って見せてくださいました。つつましいながらも自信と誇りと喜びでいっぱい、といったお顔でした。

熱烈歓迎と言うけれど、長時間に渡って額の修理現場を説明してくれた姉妹の見送りも熱烈そのもの。
記念にと額の中に収めてくれたり
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額に入ってパチリ、わいわいと一緒にパチリで楽しい♪

ハグ&両頬にキス!のイタリア式挨拶をしたり。
『来てくれて楽しかったわ、ありがとう♪』
『またいつでも来てね!』
形式的ではない、アチチというくらいの熱量が伝わってくる別れの挨拶に感動(どこに感動しているんだか…?) 素敵なおもてなしでした。


<革小物工房/Il Bussetto>

16歳の時から革工房に弟子入りしたというジュゼッペ・ファナーラさんは、阪急百貨店梅田本店で開催される"イタリアフェア"に何度もいらしているそうです。

イタリアに古くから伝わる縫い目のない革の加工技法で、『イル ブッセット』というブランドを立ち上げています。イタリアでなめされた上質な革を使い、一つ一つ丁寧にハンドメイドされた馬蹄形の小銭入れは知る人も多いことでしょう。
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自ら工房を持って30年。息子さんが伝統的な職人仕事を未来へ継承するべく、父親の仕事を手伝いながら修行を重ねているとか。

製品がなくなってきたら一つのアイテムをまとめて作るそうで、馬蹄形の小銭入れを製作中でした。ということで、ショーケースにこの小銭入れは一色が僅かにあるだけで、
「好きな色がなくてごめん! 今作っているこれは、色を塗って乾かして、出来上がるのは明後日だね」

友人はご主人の還暦祝いにと、メガネケースに刻印を入れて貰っていました。素晴らしいプレゼントゲット、いいですね〜

☆   ☆   ☆

フィレンツェには何世紀も変わらずに続けている工房も、近年なって立ち上げた工房も、実に様々なものがあります。

日本の伝統工芸もそうですが、引き継ぎ手の不足、職人の高齢化という現実は、このフィレンツェでも同じです。後継者がいなくて工房を閉じてしまう。実際、希望を出した額彫り職人さんの工房が3年前に閉じてしまっていて見学叶わず、ということも。

ガイドさんが他の額彫り工房を見つけてくれました。
「忙しいからちょっと見るだけなら」
とOKしてくれた工房があったのですが、相当お忙しい時期だったようです。
残念ながら工房に入ることはできませんでした。でも、外から見たその様子にはもの凄く心惹かれるものがあり・・・ 
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お店の外から撮影だけ。

どの工房でも、マエストロの腕と技で美しいものが丁寧に時間をかけて作られ、デジタルとは全く無縁の光景、昔ながらの作業環境、道具、手法。それらを長く大切にしてきた様子がとてもよく伝わってきて、強く印象に残る工房巡りでした。
訪ねてみたいところはまだまだあるのです。絹織物や刺繍やレースや家具作り・・・ いつかまた行けますように!

# by moonlight_ts | 2018-10-23 22:00 | 旅あちこち

4日目午前 フィレンツェの至宝の数々を訪ねて

ロストバゲッジというハプニングがあったため、現地1日目のスケジュールがどこかへ行ってしまいました。そして、2日目はアッシジに足を伸ばしたので、フィレンツェ観光はこの日初めてのようなもの。加えて、フィレンツェ最終日です(あれれ・・・)

観たいものはあちこちたくさん! 効率よく廻りたいけれど、何よりも時間が無い!
そんな状況でしたが、ドゥオーモのクーポラを登り、あのドームの部分がどんな風に二重構造になっているのか見学したい、と、朝一でドゥオーモへ行きました。

使用し始めて72時間以内は、72の美術館や宮殿に予約・行列なしで入場することのできるフリーパス『フィレンツェカード』。これをあらかじめ日本で購入してあります。窓口でのチケット購入や行列にはほぼ無関係です。
“遠くから訪ねる観光客にはありがたいことよね♪”
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スマホに入れたフィレンツェカードには入場毎に訪問先が記録されてゆきます

ところが、入場はできてもクーポラに登るチケット(知ってはいたのですがその場で買えると楽観していました)が、木曜日までsold outとのこと! この日は火曜日です。
あぁ、とてもとても残念!!

それならば、とジョットの鐘楼に登ることにしました。元々、皆さんクーポラか鐘楼か、どちらに登るか迷うところなのです。鐘楼からは間近にクーポラを観ることができるのですから、こちらも期待大です。
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白=信仰 緑=希望 ピンク(赤)=無償の愛、隣人愛
イタリアの国旗の色でもあるこのカラーの大理石が使われたゴシック様式の建築

白、ピンク、緑の大理石で長い年月をかけて造られたドゥオーモやジョットの鐘楼の存在感は半端ではありません。
ジョットの鐘楼は高さ84m。狭い階段を414段上がっていきます。途中、いくつかある小窓から、今いるのがどのくらいの高さか確認でき、その光景になんだかワクワクしてきます。
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階段は狭く長くて急 擦れ違うのはギリギリです
明かり取りの窓からの景色にホッと一息

かなり登ったと思ってもまだまだある階段に、少々くたびれました。日々の運動不足を思い知らされる時です。途中、二箇所ほどの踊り場があり、この憩いの場で元気を取り戻して、最後の一踏ん張り! 

鐘楼の上はグルリと回れてフィレンツェの街を360°見渡すことができます。
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メディチ家礼拝堂やリッカルディ宮殿が

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ヴェッキオ宮殿やウィフィッツィ美術館、遠くにミケランジェロ広場が

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レプッブリカ (共和国) 広場が・・・

“天井のない美術館”と言われるフィレンツェの赤い屋根瓦の美しい街並み。観ていると、安野光雅さんの絵本『旅の絵本』が思い出されました。

そして、何と言ってもこちらの眺め。クーポラがすぐそこに。
ジョットの鐘楼を登る醍醐味ここにあり、です。
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クーポラ展望所にも観光客が到着し始めたようです

ブルネレスキの設計で1463年に完成したというレンガの積石造りのクーポラは、今尚、世界最大級を誇っているとのこと。それをこんなに間近に観ることができた喜びは、この建物と同じくらいの迫力となって心に残りました。

☆   ☆   ☆

後ろ髪を引かれる思いをわずかに抱きつつ、サン・マルコ美術館へと足を速めました。フラ・アンジェリコの「受胎告知」のフレスコ画は、この場所に行かなくては観ることができないもの。元々が修道院である、ここの中庭も美しいと聞いていました。
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入ろうと扉を押し開くといきなり教会の中。美術館はどこ?と少し戸惑っていると、同じように入口を探している日本人観光客のご夫婦に会いました。教会と美術館と修道院・・・ちょっとゴチャゴチャになります。

が、サン・マルコ美術館は本来がサン・マルコ修道院で、修道院であった一部が美術館として公開され、サン・マルコ修道院に縁の深い美術品が展示されているのです。
中に入ると、あの美しいサンタ・トリニータの中庭にしばし心を奪われます。
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回廊の壁に描かれているフレスコ画もどれも綺麗で心和みます。
ゆっくりとこの場の雰囲気を味わいたいけれども、気持ちは先へとはやってしまい… 1階に展示されているものを観ながら巡っていき、とある角を曲がると・・・
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階段の上で、あの『受胎告知』が柔らかな光りの中で輝いていました。

階段を1段上がるにつれ、崇高な絵が近づいてきます。場面の中に吸い込まれそうな感覚。この幸せな興奮は、本物を、あるべき場所で出会えた時に感じるものかもしれません。
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美しく高潔で優しい表情、ソフトな美しい色合い、そして、天使の翼の虹色にしばし見とれます・・・

フラ・アンジェリコはここの修道士でしたが、修道院の修道士たちが寝泊まりしていた僧坊や図書館が残されています。
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ひと部屋は10畳もないくらいの広さに小窓が一つ

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各部屋に違うフレスコ画が描かれており、ほとんどがフラ・アンジェリコやその一派の手によるものだとか。どれもこれもが美しく安らかで、心穏やかな世界に導かれる思いです。

人格者として名高かったフラ・アンジェリコの本名はグイード・ディ・ピエトロ。フラ・アンジェリコのフラは『修道士』、アンジェリコは『天使のような人』。つまり、『天使のような修道士』と呼ばれていたということになります。フラ・アンジェリコが描く絵は、彼の人柄の現れ、なのですね。

この場、この部屋、今歩いているこの廊下、当時の人々と同じ空間を共有できた感動でいっぱいになりました。

☆   ☆   ☆

午前の最後の行き先に選んだのは、イタリア芸術の巨匠たちの作品が多数展示されている ウフィツィ美術館です。ここを見ずして帰れません。

予約専用入口でフィレンツェカードカードを見せればすぐに入れる、と聞いていたのですが、甘かったです、、。当日チケットの行列はもっと凄いですが、こちらの専用入口も、電話やネットで予約している人、フィレンツェカードを持っている人で一杯なのです。

一体どのくらい待たされるのか?と思っていたら、どうやら100人単位くらいで入れていっているようで、動くときは一気に前進です。それでも、30分は待ったかと。
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入場したらしたで、広くてわかりにくくて、お上りさんの私たち、チケットもぎりの受付に行くまでに迷いました(汗)

さあ!いよいよ名画の数々とのご対面です。2階と3階に展示室があるのですが、3階だけでも部屋が44部屋に分かれています。2階を入れると一体何部屋なの?ですが、これを全て回ると1日がかりとか。

私たちに与えられている時間は2時間弱でした。本当に観たいものだけ、ほぼ駆け足状態での鑑賞です。

廊下は広くて彫刻が置かれ、天井附近にはビッシリと肖像画が並んでいます。当時の人々が画家に依頼して描かせたそれは“夥しい”数だったことでしょう。そして、東西を問わずですが、建築や内装の豪華で緻密なことには本当に驚嘆の言葉しかありません。
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ザザザーッとルネッサンス以前を観てからは、待合せ時間と場所を決め、各自で観たいところを観たい時間配分で回りました。が、“やっぱりね♪ここは観るわよね♪”というところ多く、そこはやはり似た感性の者同士だったようです。
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レオナルド・ダ・ビンチに影響を与えたというフィリップ・リッポの『聖母子と天使』

そして、あまりに有名過ぎるこの2点が想像していたより大きく素晴らしく、見惚れるしかありませんでした。
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ボッティチェリの『ヴィーナスの誕生』

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同じくボッティチェリの『春 (プリマベイラ)』
この2点はやはり凄い人気で観客の壁ができますがスッと人が引くこともあり・・・

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記念撮影もできてしまいます!

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レオナルド・ダ・ヴィンチと師匠であるヴェロッキオとの共作『ヨハネによるキリストの洗礼』

ヴェロッキオ工房で修業していた若きダ・ヴィンチが任されたのが、左端の天使ですが、私たちが見てもその違いは歴然です。師匠は弟子のあまりの腕前に感嘆して筆を折り、絵画から彫刻に転向したのだそうです。

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レオナルド・ダ・ビンチの『受胎告知』
こちらはダ・ヴィンチが20歳頃から30歳頃までに、ほぼ単独で描いた事実上のデビュー作。

そして、次々と見覚えのある作品、見ておきたい作品が怒濤のように・・・ ウィフィッツ美術館所蔵の珠玉の数々が凄すぎます。メディチ家の力が凄すぎます。下の3点も宝物ですね。

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フィリッピーノ・リッピ『幼児キリストを礼拝する聖母』
ミケランジェロ『聖家族』
ラファエロ『ひわの家族』

下の肖像画はラファエロの肖像画の中で唯一夫婦揃った肖像画で『アーニョロ・ドーニの肖像』『マッダレーナ・ドーニの肖像』。妻は『モナ・リザ』と同じポーズをとっています。景色や柔らかなグラデーションなどレオナルド・ダ・ビンチの影響を色濃く感じられるものです。
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ティッツイアーノ『ウルビーノのヴィーナス』
挑発的な女神に対し、家具から衣装を必死に探すメイドがおすすめの見どころ、だそうです。

本当に膨大な素晴らしい作品がこれでもかと並ぶウィフィッツ美術館ですが、絵画はこの辺りで・・・
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もちろん、彫刻の部屋もいくつか


そして、こちらは特別室。『トリブーナの部屋』といってメディチ家の傑作コレクションが飾られた八角形の部屋になっています。ここは室内には入れず、3カ所の間口からの鑑賞になりますが、それは見事な設えでした。
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限られた時間の中で沢山の部屋を次々と回り至宝の数々に刺激を受け、至福のひとときを過ごしたフィレンツェの朝でした。



# by moonlight_ts | 2018-10-18 22:01 | 旅あちこち

3日目 アッシジへ日帰り旅行

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フィレンツェとローマの中間、アッシジを訪ねました。ガイドと運転手付きでゆったりしたワゴン車、楽ちんな日帰り旅です。

今回の旅が、前世があるとするなら、イタリアのどこかの修道院仲間だった?という妄想からでした、というようなことを書きました。その妄想劇場の登場人物は、修道士2名と、煩悩だか欲望だかを抱く修道女、そしてその修道院の修道院長ということになっています。

それもあってか、清貧の聖フランチェスコゆかりの土地であるアッシジ行きは、当然のようにすんなりとスケジュールに組み込まれることになりました。

☆   ☆   ☆

アッシジは、カソリック「フランチェスコ会」の総本山でありキリスト教の巡礼地です。

フランチェスコはアッシジの裕福な織物商の家の生まれながらも、ある日、郊外の荒れ果てた教会で「私の教会を建て直しなさい」という声を聴き…
彼を商売の跡継ぎにと考えていた父親に背いて、自分の持ち物一切と身につけている服も全て両親に返し、神と自然を賛美して祈りを捧げ、日々の托鉢での生活となり、後にフランチェスコ修道会を設立します。

「清貧、貞節、従順」がモットーの生活です。そして、フランチェスコを尊敬し、その生き方に倣いたいという貴族の娘、キアラが現れます。彼女は女子修道会を作り、フランチェスコとキアラは共に協力し合い、主のために生涯を捧げたということです。

そんな二人にゆかりのある聖堂やフランシスコ会関連施設は、世界遺産として登録されています。


<カルチェリの廬>

フランチェスコが祈りを捧げ、瞑想していた場所の跡に、教会や礼拝堂が建てられています。緑に囲まれ、アッシジの街並みを見下ろすことができ、とても神聖で気持ちのよい所でした。
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門をくぐるとフランチェスコに迎えられました。神聖な雰囲気の中を進んで行くと、渓谷のような崖に沿って施設が建てられています。
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少年に語りかけたり地面に横たわって瞑想したりするフランチェスコ像や、祈りを捧げていた場所などがある小路はその昔の空気感を感じます。
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<聖キアラ聖堂>

アッシジの貴族の娘だったキアラが、フランチェスコの教えに賛同し、財産全てを放棄して清貧の精神を生きる女性たちのグループを作りました。この大聖堂はキアラの死後建てられ、修道院地下にはキアラの遺骸を収めた部屋などもあります。聖堂は白とピンク、薔薇窓が美しく、女性らしい佇まいの聖堂です。(室内は撮影禁止でした)
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<アッシジの街並み歩き>

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中世の雰囲気が溢れるアッシジの街並みは、どこを切りとっても絵になります。城壁の門があちこちにあり、ローマ時代のミネルヴァ神殿とポポロの塔などが街中に残っていて、歴史を感じながらも、なんだか思いっきり楽しいテーマパークにいるような錯覚を覚えます。



<ドゥオモ(聖ルフィーノ大聖堂)>

アッシジで一番重要であり一番古い教会。フランチェスコもキアラも、この教会で洗礼を受けたそうです。ロマネスク様式のファザードには、中央と左右に扉とバラ窓があり、よく見ると控えめな浮き彫りのレリーフもあり美しくエレガントな印象を受けます。
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<フランチェスコ生家>

フランチェスコの生家跡には教会が13世紀に建てられています。この教会の裏手に、家の入り口や父によって閉じこめられたという部屋のドアが残されています。
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フランチェスコが出家時に脱いだ服を持つ父親。父によって繋がれた鎖を解き、それを持つ母親。そんな姿をイメージした像がありました。残された両親の思いはどんなだったのでしょう。


<聖フランチェス大聖堂>

フランチェスコの功績をたたえるために、彼の死後、建設された大聖堂です。二層からなる堂内にはどちらも多数のフレスコ画が描かれています。中でも、ルネサンス初期の画家ジョットによる聖人フランチェスコの生涯、「小鳥に説教する聖フランチェスコ」を含む28の場面を描いたフレスコ画は圧巻でした。
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イタリアも地震が多い国。1997年にウンブリア地方で地震が起こり、ドーム天井や屋根が崩落したとのこと。貴重なフレスコ画も天井から崩落しましたが、その無数の破片が持ち出され、数年にわたって根気よく、ジグソーパズルのような作業がボランティアによって続けられたそうです。今では、蘇った美しい聖堂内を見ることができます。
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上層部聖堂には美しい回廊があり、中庭のまわりを美しいアーチが並び、中央には古い井戸が残されています。
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雲間から降り注ぐ光はきっと当時は天国からの光と感じたことでしょう。


<聖ダミアーノ教会>

放蕩生活を送っていたフランチェスコが1206年に、ここの十字架の前で祈っていると「私の壊れかけた家を建て直しなさい」という神の声を聞き、一人で石を積みながら修復したと言われている礼拝堂があります。
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糸杉が絵のようにすっくと立っている道を進んで、こじんまりとした教会と修道院へ。途中、サンタマリアデッリアンジェリの教会を臨む聖フランチェスコの像がありました。
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女性らしさを感じさせる回廊と中庭は、美しく可憐で心惹かれるものがあります。
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食堂には粗末な木の長テーブルと長椅子が置かれていて、キアラが座っていたという席は一番隅でした。キアラは尼僧としてこのサン・ダミアーノの修道院で過ごし、生涯を通して聖フランチェスコを精神的な父と仰ぎます。当時の面影を残した修道院は質素で厳か、且つとても美しいものでした。


<リヴォトルト>

アッシジの中心街からは少し離れて、フランチェスコが最初の”兄弟”たちと2年ほど住んでいた所です。会堂は、当時の小さく質素な「聖なるあばら屋」を保存されるために建てられたのだそうです。
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ファサードの絵画は… ある夜、フランチェスコが出かけている間に、あばら屋で寝ていた兄弟たちが輝く火の馬車を見て、彼の魂が常に共にあることを知り、おおいに勇気付けられた、という伝説からのものです。


<サンタ・マリア・デッリ・アンジェリ教会>
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フランチェスコが、1211年頃、最初に与えられた聖堂「ポルツィウンコラ礼拝堂」を守るために建てられた教会です。教会の中に教会があるのです。フランチェスコは、そのポルツィウンコラ礼拝堂の後方で、1226年10月3日の夕暮れ天へ帰ってゆきました。
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フランチェスコが暮らしたと言う石穴があったり
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聖フランチェスコ像のある場所には、フランチェスコを慕ってここにに居ついていると言われているハトがいたり、フランチェスコの奇跡といわれる棘の無いバラがある庭があったり、彼がここに居たことが印象付けられる箇所がいくつもありました。ここでは、世界中から信者が来て祈りを捧げる神聖な場所ということが伝わってきます。


☆   ☆   ☆

アッシジは世界遺産に登録されています。当時の聖人達が質素で清らかな生活であったことと、功績を讃えるため後に建てられた聖堂の輝かしさとの対比の際立つ街です。教会では、信者がひざまずき熱心に祈りを捧げていたり、あちこちで説教が行われていたり。厳かな雰囲気の中、私たちツーリストをも広い心で迎え入れてくれる、懐の深い街。もっと下調べをして行けば… との反省点もあります。
祈りの街での学びは多く、印象深いものとなりました。



# by moonlight_ts | 2018-10-06 23:45 | 旅あちこち

2日目 その2 夕刻のフィレンツェの街を愉しむ

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旅のスタートは思いもかけない試練続きでどうなることかと思いましたが、夕方にはなんとかスーツケースが届いて4人揃って着替えも済ませ。さて、ようやくここから予定通りの行動です。

少しだけお店を覗きながら街中を抜け、まずはアルノ川のポンテ・ベッキオ(ベッキオ橋)を渡ってみました。“フィレンツェ最古の橋”ということで、アルノ川を象徴する橋なのですが、橋の上にはたくさんの宝飾品店が並びキラキラしています。
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メディチ家の専用通路「ヴァザーリの回廊」が橋の上にできた当時、焼き肉店ばかりが並んでいて、臭いの問題から、美しい物に変えようということで宝飾店ばかりになったそうです。

この日のハイライト、ミケランジェロ広場までは、橋を渡ってからタクシーで。日没時には大勢の人が集まり、広い広場だというのに割り込む隙もありません。
少し高台にあるサン・ミニアート・アル・モンテ教会に寄ってみました。フィレンツェ一望は素晴らし眺めで絶好のポイントです。
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☆   ☆   ☆

こちらに着いてから1日が経とうとしていますが、まだ、食事らしい食事をしていない私たちでした。夜景を待てずに坂道を降りてゆき、街の光景を木々の間から見ながら、目指すレストランへ急ぎます。
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見当をつけていたレストランが見当たらず、Oさんの嗅覚で入ったお店は大当たりでした。
迷いに迷って決めたお食事の数々。日本人の私たちは一皿をシェアしていろいろな味を愉しむ、ということを知っているお店の方は、ちゃんと取り皿を用意してくれます。
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ああ、本場のイタリアン!! ガツンとしっかりした奥深い味わいがたまりません。日本のイタリアンと全然違います。ジェノベーゼのニョッキの味、初挑戦のギリシャサラダ、トマトのブルケッタにピザパン。どれもこれもが舌にも脳にも焼き付き忘れられないでいます。

こうして、イタリアはフィレンツェの初日は幸せのまま更けてゆきました・・・(?)

# by moonlight_ts | 2018-10-06 02:03 | 旅あちこち
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いとしきものたちとの日々は毎日が特別な日♪


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