トロッケンゲビンデ -1&2 シュトラウス(ブーケ)
乾燥植物(花や葉や幹、木の実や種など)を素材としたドイツの民芸品を、森本禮子さんがドイツ在住中に教わったものを体系化したクラフトとのことでした。ですから、ドイツでトロッケンゲビンデという工芸があるわけではない…ということでしょうか。日本では他にも“トロッケンゲシュテック”があり、つまりは日本の華道に小原流、草月流・・とあるようなものなのですね。
また、似たようなものがオーストリアの伝統工芸にもあり、ザルツブルガーアートとかザルツブルグゲビンデとかあるようです。使う材料や作風によって趣がそれぞれ違い、できればそのうち他のものも体験してみたいな、なんて思っています。

初回は木の実で「ドイチェシュトラウス」というものを作りました。いろいろな木の実をワイヤリングして結わえ繋げて花束状にまとめます。そして、それに「マンシェッテ」という花受台(今回は黒皮のもの)を支えるようにつけて出来上がりです。
赤や黄の実や赤白のチェックのリボン?
う〜ん、ちょっとテイストが違うんですが!! と、思いました。
けれども、トロッケンゲビンデでこれから作って行く作品には、ドイツの昔からの生活の中での意味や思いが込められていたり季節の行事に関係していたり、とのこと。
例えば、この作り物の丸い実は“りんご”。ドイツでは家に男の子が生まれると庭にリンゴの木を植えたとか。女の子は梨なのだそうですが、それぞれのお祝いと、健やかな成長を願ってのことなのでしょうね。チェックのリボンは、ドイツのレストランに入るとギンガムチェックのテーブルクロスが必ず敷いてあって、「らしさ」を表現するには外せないとか。
ドイツらしさを捨てずに作品作りをしているのが、このトロッケンゲビンデの特徴の一つと知りました。今では暗い色調の中に時として使われる、このような色合いも可愛いなと思えるようになりました。

「シュトラウス」の作品は、いわゆるブーケですので、最後は持ち手の部分を作ってリボンで飾ります。持ち手の部分を適当に曲げてそのまま置いて飾っても、器に入れて飾るのもまた雰囲気が変わっていいですね。
実は、ドライフラワーや布花を使うことも私の中では想定外のことで(^^;)、トロッケンゲビンデなるものは木の実や木の実のようなもので作ると思っていたのですね(研究不足のまま入ってしまった?)。ドライフラワーなど、花も多用するとは思っていなかったのです。ドライフラワーは虫がついたり、持ちも中途半端で、あまり積極的に使いたいとは思っていなく。
でも、暗い色調のものばかり作っているのも気が滅入るかもしれません。材料もいいものを揃えてくださっているので、これはこれでよしとして楽しむ事にしました。大阪から来てくださっている桜井先生は作品毎に、ドイツにまつわるお話をとても丁寧にしてくださり、それも楽しみの一つになりつつあるところです。