鹿島神宮を後にして向かった先は息栖神社です。
こちらの主祭神は、古事記で登場する名は“衝立船戸神(つきたつふなとのかみ)”、日本書紀では別名の“久那斗神(くなどのかみ)”です。また、相殿神として“天乃鳥船神”“住吉三神”がおられます。
「船戸」は「船門」で港、港は交通の要衝として人の出入りが頻繁です。そのため“フナト(クナト)”は邪悪なものの侵入を防ぐ道の神という説があります。また、神話では国譲りの際に、鹿島神宮の武甕槌大神と香取神宮の経津主大神を東国へと先導した神です。
“衝立船戸神”は 厄除と陸の交通守護
“天乃鳥船神”は 空の交通守護
“住吉三神”は 海の交通守護
という、それぞれのご神徳があるそうです。
大きな旅に出る前などに参拝されると良いのではないでしょうか。
境内には、ここでも夏越の大祓の茅の輪が残されています。6月30日が終わったら片付けてしまうというわけでもないようですね。
添乗員さんとは顔馴染みという宮司さんがいらして、境内の説明をしてくださいました。なんでもこちらには7つのパワースポットがある、と力説しておられました。
その七つとは・・・
御本殿、御神木、招霊(オガタマ)の木、梛(ナギ)の木、御衣黄桜、稲荷神社、忍潮井の男甕・女甕
になります。
御本殿は、鹿島神宮や香取神宮のように大きくはなく控え目です
御神木は樹齢1000年ほどの夫婦杉
左上:招霊の木は、5月頃に小さく可憐な花を咲かせるそうです右上:梛の木はナギが海の凪に通じることから、穏やかに全てが円満に収まるお守り下:御衣黄は咲き始めは淡い緑色がかった珍しい桜
稲荷神社は、宮司さんのお話が伸びて集合時間が迫って時間が無くなり、それより忍潮井へと・・・泣く泣く手前で拝礼のみとなりました。
一の鳥居は境内に向かう二の鳥居からは100mほど反対の、利根川の支流・常陸利根川沿いにあって、江戸時代の水運の拠点、鳥居の先は舟溜まりになっています。その一の鳥居の左右には大小の鳥居が立ち、その元にはそれぞれ井戸があります。
それぞれの井戸の底には “男甕” “女甕” があり、その甕からは真水が湧き出ているのです。その湧き出る水が“忍潮井”と呼ばれるもので、日本三霊泉と言われています。甕は両方とも1000年以上も清水を湧き出し続けてきたのだそうで、水が澄んで甕を見ることが出来れば幸運が訪れると言われているそうですよ。
因みに、今回私たちはちゃんと見ることができたので幸いが訪れるのを楽しみに^^
こちらでは時間があまり無く、それほど広くはない境内だというのに、なんだかバタバタせわしない<見学のみ>となった感があり、そこがちょっと残念でした。
ですが、古くから伝わってきたものや行事や謂われを、日々大切に守り繋ぎながら粛々と暮らしている日本の良さを感じることができるのはとてもありがたいもの。自分の暮らしぶりやいろいろなものを見る視点を見返してみる良い時間にもなりました。