外が明るくなると、夕べ遅くなってしまったのに早くから目が覚めてしまいました。フィレンツェで迎える初めての朝、ドゥオーモの丸屋根が窓の外に見え、期待を胸にキッチンに向かい、慣れない階段をおそるおそる上がってテラスへ出ます。

“おはよう!♪”の挨拶がこんな景色の中でできてこの上なく嬉しく、既に感動しています。そのうちにあちこちの教会から鐘が鳴り響き、街も動き出しました。
遅い時間の到着でキャッシングも買物も出来ていません。それぞれが、昨夜機内で出た軽食のサンドイッチを持参していたので、お茶と共にこのテラスで朝食を。
(Photo by ほーりー)
なんて幸せ!至福の時!何よりのご馳走がテラスからのこの景色です。
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夕べのロストバゲッジ事件により、荷が届くまでは、2人ずつ交代でキャッシングと散策に出よう、ということになりました。歩いて5分もしないうちに、サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂の前にいる私たち。
フィレンツェのシンボルであるドゥオーモが!ジョットの鐘楼が!サンジョバンニ礼拝堂が!! 700年もの時を隔ててなお、ここにあるという歴史の重みをひしひしと肌で感じることができます。
八角形の美しいサンジョバンニ礼拝堂の北扉と東扉は、ロレンツォ・ギベルディがそれぞれ21年、30年という月日をかけて制作したブロンズパネル作品で出来ているのですが、実は私がサンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂でドゥオーモの次に対面したかったのがこの扉です。
ルネサンス時代の幕開けとされている、製作をめぐって行われたコンクールが後々語りぐさとなった北扉。後にミケランジェロに『天国の門』と賞賛された東扉。違う様式で作られていますが、どちらも豪華で荘厳なパネルで構成されています。もっとじっくり見たかったけれど、これはレプリカ。次回があれば、本物を見てみたいと切に思いました。
しばらく石畳の街をそぞろ歩いてシニョリーア広場からUターン、第二陣と交代です。
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そして午後、スーツケースの宅配連絡が二転三転する中、夕方が近づく頃です。ブブーとブザーが鳴り、皆で玄関まで階段を駆け下りてゆきました。4人共が嬉しさで軽快に駆け下りるものの、その騒々しさに途中の階の方が何事?と驚いているのではないかと思われるほどでした。
4つの重たいスーツケース。2人で1つを持っては上がり、戻ってはまた上がり最上階まで。4人で協力し合いながらも素早く上げてしまいました。何?このパワー?と思うほどです。
ここからいよいよ旅を満喫!!嬉しさで、 4人の顔はキラキラ輝いていましたよ。
つづく・・・