八ヶ岳高原音楽堂での 辻井伸行ピアノリサイタル

八ヶ岳高原にある八ヶ岳高原音楽堂を知ったのはかれこれ15年ほど前のこと。
それ以来、いつかここに好きな演奏家の演奏を聴きに来たいと思い焦がれていました。
ただ、これは!と思う演奏会が真冬の2月だったり忙しい時期だったり…
長いこと、高原ロッジに何度も来ながらも音楽堂までお散歩して外から建物を眺めるばかりでした。
昨年、辻井伸行さんのリサイタルがあると知った時には、
これこそこの場で聴くにふさわしい!!と小躍りして喜んだものです。
けれども大人気の辻井くんですからねぇ、、発売当日数時間で完売でした。
今年はハイ、頑張りましたとも!
発売開始時間から何十回も電話をしてようやく繋がり、なんとかチケットを手に入れたのです^^
それは発売当日の夕方のこと、あと残り僅かだったようでした。

六角形の部分がホールになっているのですが、それはそれは素晴らしい音響なのです。

第一部の自作の7曲が進むうちにその背景はたそがれてさらに夕闇になってゆきます。
第二部のクラシックの7曲、アンコールの4曲と、もう、夢のようなあっという間の2時間でした。
驚いたのは、彼自身がMCまでし、
それがまた素晴らしく心地よい話ぶりとテンポと内容だったということです。
研ぎすまされた感性と豊かな表現力は、演奏だけではありませんでした。
訪れる先々の空気を感じ取ったり、それを音楽にしたり言葉で人に伝えたり、
とあらゆるところでいかんなく発揮されているその様を知ることができ、
このピアノリサイタルを聴きに来ることができて本当に良かった。
第二部のクラシックは「アラベスク第一番、第二番」、
そして「月の光」「別れの曲」と押さえた感情の曲調。
そこからガラリと変わって「革命のエチュード」「ラ・カンパネラ」へ。
巧みな演奏と表現力とでグイグイ引き込まれ、素晴らしく綺麗な音には涙さえ出てきます。
「ラ・カンパネラ」はとにかくもう、圧巻!! でした。
最後の「リゴレット・パラフレーズ」は華やかで最後の曲にふさわしく。
弾いている本人は何よりも楽しそうでしたし、
素晴らしい演奏への割れんばかりの拍手で称えるお客さんも晴れやかな笑顔。
こんなに小さな音楽堂ですが、中は密度の濃い熱気でいっぱいです。
辻井くんも私たちもとても幸せな時間を過ごしたな〜と感じることができたひとときでした。
またこんな時間が持てたらいいな〜

いつものように美鈴池まで緑の中をお散歩です。
八ヶ岳の真夏の時期のこの景色は初めてでしたが、心と同じくスッキリ爽やか〜

次は紅葉を見にこれますように!