トロッケンゲビンデ-43 フートゲビンデ

Hutgebinde(フートゲビンデ)は“飾り帽子”で、
今回のこれは収穫の喜びを表現した『収穫祭の帽子』です。
豊作と幸福を願う、赤いひなげし・白いマーガレット、青い矢車草の登場です。
G1(初級)の時はクレープ紙で作った3種の民芸花でしたが、
今回は先生のお手製の布花となっています。
ドイツではこの3種の花が麦畑の中、あちこちに咲いてとても美しい光景だとか。
これらの花はもともとは麦畑やとうもろこし畑の中で咲く雑草だったのですって。
また、矢車草はドイツの国花ですが、そこにはこんなエピソードが。
19世紀のドイツの皇帝ウィルヘルム 1世がまだ幼かった時、ナポレオンが ドイツに攻め
入るのですが、幼いウィルヘルム 1世は皇后である母と麦畑に潜んで追手から逃れること
ができました。この時、皇后は息子のために麦畑に咲く矢車草で花冠を作ります。
皇帝ウイルヘルムとなってナポレオン三世を打ち破った時、幼い頃のこの思い出の花を
皇帝の紋章としたのです。そして矢車草は『皇帝の花』と呼ばれるようになり、後に国花
とされました。
麦畑の中に逃げ込んだときの母の愛情溢れる場面がありありと想像されるエピソードですね。

麦と、ひなげし・マーガレット・矢車草、そして木の実たちを使った作品がまた一つ。
ドイツの麦畑の風景を思い描きながら作ることができました。