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出雲・松江の旅③ 観光三日目-2

【かんべの里】


神魂神社を出てバス停のある『かんべの里』への道すがら、田圃の中に美しくもあり珍しい光景に出会いました。こんな形の稲干しは初めて見ました。それもそのはず、島根県のしかもこの地域にしか残されていない稲の干し方で、『ヨズクハデ』というそうです。

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ヨズクはフクロウの事。フクロウが羽を休めてうずくまっているように見えることからの呼称だそうです。そう聞くと確かにそんな印象です。


こうした思いがけない美しいものに触れたり知れたり、それを教えてくださる地元の方との出会いがあったり。旅の醍醐味です。


教えてくださった方の紹介で、かんべの里の『かんべ茶屋』でお昼を摂りました。これがまた身体に優しいビーガン料理。ドイツ人の女性の方が日本人のスタッフの方と生き生き楽しそうに作り、サーブしていました。『かんべ茶屋』さんは曜日で作り手が変わる上にお店は11時半から2時までですから、これも出会いの妙ですね。

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グリーンピーススープ、ドイツスタイルのポテトサラダ、ザワークラウト、玄米パテ、胡桃と野菜のパイ、ブラックアイビーンズサラダ、スイートポテトケーキ

手の込んだお料理もデザートも好みの味で、近所にこんなお店があったら嬉しいなぁ、、と思いながら美味しくいただきました。


【松江城】


午後からは、松江と言えば…のコースを辿ります。

松江城はとても、素晴らしいお城でした。

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現存する全国12天守のうちで

・高さは姫路城、松本城に次ぐ3番目

・平面規模で姫路城に次ぐ2番目

・古さは5番目

ということで、迫力があり堂々としています。


松江城、実は、1935年に国宝に指定されたものが1950年に重要文化財に変更され、2015年に再び国宝に指定されるという運命を辿っているのですね。

再び国宝になる決め手となった一つが、天守の特徴的な 柱構造。天守建築に優れた技法を用いた事例であるという点だそうです。各階それぞれに、とても立派な柱が並ぶ様は本当に見事なまでに壮観です。歴史が今に伝わっている重みのようなものをヒシヒシと感じました。


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堅牢で重厚感溢れる柱は全体で308本だそうです
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天守から臨む宍道湖

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天守からの眺めは格別のものがありますね

お城の重厚さに圧倒された余韻を楽しみつつ、武家屋敷方面への道をそぞろ歩きました。城下へ下っていく道のりが楽しめます。

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あちこちにツワブキが一斉に咲いているのも印象的

【小泉八雲旧宅と小泉八雲記念館】

松江藩士の娘・小泉セツと結婚した八雲が念願だった松江城堀端の武家屋敷で暮らしたのは約5ヶ月だったことを知りました。もっと長く居た印象でしたが、八雲本人はこの家を終生愛したそうです。
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庭園などは八雲が好んで眺めたそのままが残されていて、当時の様子を偲ぶことができました。

小泉八雲旧居に隣接して小泉八雲記念館があります。
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八雲の人生を丁寧に追っていて、彼のことをほとんど知らなかった私にとっては驚き多い展示であると共に、その人生は胸に迫るものを感じました。直筆原稿や初版本、愛用の机・椅子・衣類(小さい!)など二百数十点が展示されています。小泉八雲を知る良い機会になったと思います。

この辺りは松江城の北側になり、「塩見縄手」と呼ばれているところです。武家屋敷や長屋門や塀が続き、城下町らしい面影たっぷりの通りとなっています。
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武家屋敷も閉館間近のところざっとですが見て回れ、充実した三日間の最終日が暮れてゆきました。
そして、宍道湖に夕陽が沈む頃だったので急いで宍道湖に移動したところ、着いたときには丁度陽が沈んだところでしたが、こんな光景が目の前に現れたのです。
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シャボン玉おじさんが夕陽を背にパフォーマンスをしていたようで、もう最後の最後という感じでしたが、素敵なおまけをいただいた気分でこの旅を終えることができました。

旅の想い出をと綴りだしたらとても長くなってしまいました。最後まで読んでくださった方、本当にありがとうございます♡

# by moonlight_ts | 2023-11-20 20:39 | 旅あちこち

出雲・松江の旅③ 観光三日目-1

【八重垣神社】


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この日最初に訪れたのは、誰もが知っている、古事記に登場する『八岐大蛇』『素戔嗚尊(スサノオノミコト)』に関連ある神社です。


『八岐大蛇』は素戔嗚尊が櫛稲田姫を八岐大蛇から救うという、神話の一つですね。神社奥にある『佐久佐女の森』に八重垣を造り、そこに稲田姫を隠して八岐大蛇を退治した後に夫婦となります。


 八雲立つ 出雲八重垣 妻籠に

  八重垣つくる その八重垣を


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という歌を聞いたことがあるかと思いますが、これ、実は素盞嗚尊がその時に詠んだ、日本最初の和歌といわれています。

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佐久佐女の森の入口には椿が一輪咲いて迎えてくれました

八重垣神社の奥にある佐久佐女の森は、八重垣の名の通り幾重もの垣根に囲まれています。この森を、小泉八雲は『神秘の森』と呼んだそうですが、八重垣神社の奥の院は、この垣根を奥へ奥へと進んで行き『鏡の池』の先にありました。


『鏡の池』はここに隠れた櫛稲田姫が飲料水にしたり自身の姿を映したりしたと伝えられていて、今尚、櫛稲田姫がここに佇んでいるかのようです。『神秘の森』と呼びたくなる所以かもしれません。


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鏡の池ではこうして静かに池をのぞき込んでいる人が絶えません


ここを訪れる方は皆さん何やら静かに息を殺して真剣に池を見つめています。社務所でいただいた占い用紙を池に浮かべてコインを乗せ、『鏡の池の縁占い』をしているのです。

用紙を水面に置き、その上に10円玉か100円玉を乗せて沈む早さでご縁の遅速を占うというもの。


私たちもやってみました。水に浮かべると浮き出る文字。そこに願いや想いを載せて祈ります。


なかなか沈まない?

沈まなかったらどうしよう?

と不安になり出した頃、姉と私ほぼ同時に、7分経った頃に池の中に一気に吸い込まれるように沈んでゆきました。(やれやれ…ホッ… 笑)


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池の奥にある稲田姫命をお祀りする「天鏡神社」があり、ありがとうございますの想いをお伝えして八重垣神社とお別れです。

とても気持ち良い空気が流れる天鏡神社



【はにわロード】


ここから神魂神社までの2km弱の道のりは『はにわロード』という整備された道を行きます。

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この道は自然石でできた茶色の舗装道路になっていて、ひたすらこの茶色の道を行けば神魂神社に辿り着くことになっています。標識や看板要らずで景観を壊さない素敵な道しるべです。


道すがら“はにわ”の模型が あちこちにあるのも、こっちだよ と案内してくれているかのようで、のんびりゆったり楽しんで歩けました。

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毎日こんな所をお散歩できたらいいなぁ・・・と思わずにいられない光景が続きます。

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まるで絵本の中のに迷い込んだかのよう


【国宝の神社 神魂神社】


周囲はごくありふれた長閑な田園風景。そんな中にある一の鳥居をくぐると二の鳥居までの真っ直ぐに伸びた道の左側には灯籠が、右側には桜の木。春はどんなにか美しいことでしょう。


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真っ直ぐ続く参道の右側は桜並木の開花を見てみたい


この道は神様が通る道。そんな印象を受けます。

飾らない清らかさと穏やかな空気に包まれていて心惹かれ、いつまでも居たくなる光景でした。


二の鳥居から先は緑濃い中を古い石段を上がってゆき、神聖な領域といった雰囲気です。

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手水舎は苔むして、竹の柄杓は見たことのない形状の上に、置き場には突起が付いていて転がらないようになっています。こうした配慮に、参拝者を迎え入れてくださる温もりが伝わってきます。
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振り向いて見上げると、急勾配の自然石のごつい階段がありました。

左手の方にはなだらかな坂道があり「女坂」との表示。こちらは「男坂」ということですね。頑張ってこちらを登りました。これが見た目ほど大変ではなく、楽に登れたのが意外でした。登り切るとすぐ目の前に拝殿が構えています。


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石段を上りきると迫りくる拝殿

こちらの神社は出雲国造の祖、天穂日命が降して創建したと伝えられるています。こじんまりとした拝殿と後方の本殿、数ある摂社はいかにも古色蒼然とした、歴史を感じさせるものです。

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拝殿と本殿

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本殿左脇の境内社 貴布袮神社と稲荷社

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武勇社、蛭子社、荒神

現在の本殿は正平元年(1346年)の再建とのことで、心柱からその墨書もみつかっており、“現存する最古の大社造”で “国宝” に指定されています。

この構え、潔いまでのシンプルさと古の香り漂う雰囲気は、日本人の心揺さぶるに足りるものと思います。

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主祭神が女神なので千木は内削ぎ 神紋は亀甲に「有」の字 その周りの装飾は出雲らしく雲

歴史的価値が十分伝わってくる外観は白木造のように見えますが、実は彩られていた痕があるようです。扉内側や本殿内は今もその様子が残っているので、この目で実際に見てみたいものです。


その本殿内の壁には、流鏑馬神事や境内での相撲を観覧している様子が、天井には九つの瑞雲が五色に彩られているそうです。

八雲の図のはずなのに九つの雲。

それは出雲大社のものとそっくりだそうで、ただ、出雲大社の八雲の図は雲が七つとのこと。そこにどんな物語があるのか気になります。


また、神魂(かもす)というなんとも意味ありげな名称ですが、これは

「神霊の鎮まり坐す所」つまり神坐所(かみますどころ)

→「かんます」

→「かもす」

となったということです。


長い歴史の中でひたすら大事に守られてきて、いろいろな謂れや物語(まだまだあるのですが、書き切れません)が散りばめられているこの神魂神社、かなり心惹かれ、ここに来ることが出来たことは今回の旅で一番の収穫であり喜びとなりました。

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国宝の前でパチリ!  お気に入りの本殿の前で嬉しい私・・・


いよいよこの旅もこの日の午後を残すのみとなりました。

長くなりましたので、また 続きへ・・・


# by moonlight_ts | 2023-11-18 22:27 | 旅あちこち

出雲・松江の旅② 観光二日目

出雲〜安来〜足立美術館〜安来〜松江の移動時間もあり、この日は足立美術館観覧と宍道湖の夕陽のみで終わりました。出雲から安来までは45分ほどなのですが、車窓から宍道湖を眺めたり前日撮影した画像を整理したりしているとアッと言う間。
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宍道湖を眺めながら列車で移動

ここから美術館までは無料のシャトルバスが出ておりこれを利用、20分ほどの間に景色がだんだん変わってゆき、着いたのは思いがけない山の麓の周りは田圃という場所でした。

足立美術館の庭園は、アメリカの日本庭園専門誌で行った日本国内の日本庭園約1000か所を対象に実施した「ランキング」で、20年連続第一位に選ばれているそうです。あの京都の桂離宮を押さえて、です。
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背景の山と溶けあった奥行きを感じる庭園

背景の山を借景に奥行きある景観が臨め、広い敷地をよくまあここまで美しく整え造りあげたものだと圧倒されます。この広さをいつどうやって手入れをしているのか、年間通してこの美しさ素晴らしさを保つのは大変なことなんだろうな…なんてことが頭をよぎると同時に頭が下がる思いです。このお庭を観ていると、アクセスが良いとは言えない場所ですが、だからこそ出来る庭園なのだなということがよく解ります。

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この庭園を造った足立全康さんは「庭園もまた一幅の絵画である」という言葉を残しているのですが、すばらしい庭に囲まれた 素晴らしい美術館を建てることが若い頃からの夢だったということです。
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足立全康さんの銅像と庭園日本一のプレート

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「庭園もまた一幅の絵画である」を体現

「日本一の庭をつくるのが一生の仕事」「日本一ということは世界一」というのが口癖だったとか。いくつかの事業を興し、失敗したり成功したりしながら、情熱は消えることなく、最後にはその夢を実現させてしまうのですから本当に凄いことだと敬服します。

ただ、その庭はほとんどをガラス越に観るということは唯一残念に感じました。建物から建物への繋ぎ部分で外を通るときに、外気を吸いながらお庭を眺めることができると、やはりほっとします。せっかくのお庭なので、もっと外で観られる工夫があるといいのになぁ、、木陰に椅子などがあって景色を眺めながら、この場の空気を吸い込みながらぼ〜っと過ごせたら素敵でしょうね、とちょっと妄想(笑)

庭園美術館と言われているのはその通りで、庭園も美術もどちらも楽しめるわけですが、庭園がメインか、美術館としての展示がメインか。これに関しては、訪れる人の好みによるかもしれません。今回初めて訪れたので、これだけの広さを庭園として整えた凄さということも含め、やはり庭園の方に魅力を感じる私でした。
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『魯山人館』には多くの作品があり、こちらも圧巻でした

が、横山大観の絵画や2020年に開設されたという『魯山人館』の作品の数々、日本が誇る素晴らしい作品をこのような環境で鑑賞できたことが何より、と感じ入ったのです。

夕方には松江に着き、お天気にも恵まれて宍道湖の夕陽を心ゆくまで楽しんだ第二日目でした。
ああ、佳き日です。
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# by moonlight_ts | 2023-11-13 22:37 | 旅あちこち

出雲・松江の旅① 観光一日目-2

【出雲古代歴史博物館


出雲大社に来たら必見の、大社東側にある『島根県立出雲古代歴史博物館』へと向かうのですが…なんだか様子がおかしい・・・静かで人がいないのです。建物に近づくと「本日休館」の看板が!! え? 何が起こったの!! 前売り券の申込をしてあるのに!! ・・・ショックの余り暫く言葉が出てこず。

・・・ ああ、失態です。


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東京では美術館博物館の類は月曜日が休館日で、他の曜日が休館だなんて考えもせず来てしまいました(思い込みはいけません…)。前売り券は期間中ならいつでもOKで日にち指定ではありませんでした。が、行くのは月曜日じゃないから大丈夫ね、そう思い込んで確認しなかったのが敗因です。

あぁ、常設展のあれもこれも見たかった! 特別企画展の『伊勢と出雲』も熱い熱い思いで期待していました! もう、涙でボロボロです。

まあ、でも、、とても残念ではありますが、こればかりはどうにもなりません。 気を取り直してお昼をと、友人に教わった『荒木屋』さんで割子蕎麦をいただきました。

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午後はどうしましょう?

日に何台も無い日御碕行きのバスはもう出てしまったし、他に行く当てもないし。とりあえずは一の鳥居に行ってみようと歩き出しました。鳥居手前まで来ると、鳥居外側で大規模工事中の様子が伺え、これまたがっかり、、。


【神様降臨? 日御碕へ


そんなところに一台のタクシーがスーーッと目の前に停まり、ご婦人が降りました。近辺でほとんど見かけないタクシーです。これは!? と、前をズンズン進んでいた姉を大声で呼び止めて車に乗り込み、日御碕神社まで行くことにしました。帰りの足の話をしているうちに運転手さんとの交渉で、ぐるりと回って夕陽の時間までに稲佐の浜に戻ってくれることになり… あぁ、ラッキー! ようやく運が動き出したかしら?と思った瞬間です。


走り出して暫くすると、運転手さんも観光タクシーモードに切り替わったのか、

「よければ、ちょっと停まって見て欲しいものがある」

「神話の中で、大国主神の息子と天から降りてきた神様が喧嘩して、力比べした時に投げた岩が積まれた場所が見えるので」

と停めてくれました。


それは、古事記の国譲りの場面のことです。高天原から降りてきたタケミカヅチが大国主神の息子タケミナカタに、

「天照大御神の子孫が降臨するので国を譲れ」

と迫ります。互いに譲らない二柱がそこで力比べをするのですが、力は互角で何度岩を投げ合っても同じ所に落ち、積み重なったのがこの『礫岩(つぶていわ)』なのだとか。本当にあったことなのか、と思わされてしまう面白い話と光景です。

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海の中に積み重なっているのが岩 奥の浜から投げたとか?


礫岩を後にしてから、私がいくらか古事記に興味あると伝わったのか、運転手さん、嬉しそうで。日御碕神社を上から全景見える所でも停車してくださり、サービス旺盛で完全に観光タクシーモード(笑)


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日御碕神社全景 これは素敵なところから観させていただきました


日本海の碧、松林の緑、そして「朱の神殿」が鮮やかで素晴らしい俯瞰です。知らないと観られなかった光景なのだと思うと、本当にありがたいこと。神社に着いてからも本殿と小高い所のお社、特別なお守りのことまで親切丁寧に解説してくださいました。なんだか、ワクワクが止まりません。いい運転手さんにご縁をいただき、これは出雲大社参拝のご利益でしょうか??


こちらの神社は下の宮「日沉宮(ひしずみのみや)」と上の宮「神の宮」があり、両本社を総称して「日御碕神社」と呼ぶそうです。

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上:下の宮「日沉宮」 中・下:上の宮「神の宮」

美しい色彩に包まれた神社を後にして、灯台へも行きました。島根半島の最西端の断崖にそびえる『出雲日御碕灯台』です。石造灯台としては日本一の高さの白亜の灯台が、荒い日本海の碧をバックに凜と佇む姿が美しいです。

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更にもう一つ案内したいと連れて行っていただいたのが『屏風岩』でした。大国主命と高天原からの使者である武甕槌神(タケミカヅチノカミ)が、この岩陰で国譲りの話し合いをされたのだとか。


こうして古事記に関する観光巡りをすると、神代のお話しもとてもよく出来た面白いものだということを、出雲の空気の中で感じることができて楽しい時間でした。


【稲佐の浜の夕陽


思わぬ巡り会いで、今回は諦めていた日御碕を観光でき、午後もとても充実したものになりました。予定以上のビューポイントを観ることが出来たりお話しを聞けたり。この日最後に素晴らしい時間を過ごすことができた稲佐の浜。満ち足りたところに更に、ハイライトの一つ、こんな夕陽で締めくくった第一日目でした。

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夕陽を背に撮影する地元の方? 私もこんな気分でしたよ「夕陽に乾盃!





# by moonlight_ts | 2023-11-12 00:08 | 旅あちこち

出雲・松江の旅① 観光一日目-1

【稲佐の浜〜出雲大社】

前日は日が落ち暗くなってから出雲に着き、この地の風景を見るのはお宿のカーテンを開くところから始まりました。暫くして目を上げるとこんな光景が! 雲間からは神々しいほどの光が降り注ぎ、出雲らしさ溢れる朝を迎えることができて、感動と期待で胸が高鳴りました。
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大社すぐ傍の宿を出てからは、稲佐の浜まで歩いて行ってみました。途中、風が強いため海面が白い波で埋め尽くされている様子が見え、浜はどんなことになっていることかと思いながら1kmほどを行きます。

『稲佐の浜』は神話の国譲りの場面に出てくる場所です。旧暦の10月に出雲では『神在祭』があり全国の神様が出雲に集まるのですが、その八百万の神様が迎えられるのがこの浜です。迎えられた八百万の神は、ここからは『神迎の道』を通って大社境内まで進むのだそうです。
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『神迎祭』が今年も11月22日に行われます。そしてその後一週間が『神在祭』

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弁天島のある浜に出ると、波飛沫に乗った砂まで飛んで来るという、台風のような風

波打ち際に寄せては返す波間から砂を掬って、出雲大社へ戻ります。出雲大社は鳥居が四つあるのですが、稲佐の浜から訪ねた都合上、二の鳥居『勢溜の大鳥居』から境内へ。
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二の鳥居の『勢溜の大鳥居』はその昔、多くの人々が勢いよく集い溜まる場所だったそう

祓戸神社や手水舎に立ち寄り、境内のあちこちにあるウサギの像や大国主神の『ムスビの御神像』にご対面しながら、ようやく四の鳥居『銅の鳥居』をくぐり拝殿に着きました。
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ムスビの御神像:大国主神が “幸魂”と“奇魂” を両手を広げていただく姿は古事記の一場面

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青銅の四の鳥居をくぐりいよいよ参拝

出雲大社では “二礼四拍手一礼” が参拝作法となっており、あちこちからいつもより多めの拍手の音が聞こえてきて、神妙な響きの中に新鮮さも感じます。拝殿後ろの大国主神が鎮座する本殿前にある「八つ足門」でも同じように参拝しました。
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拝殿
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八つ足門:拝殿の裏、本殿前にある瑞垣(みずがき)の門

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八つ足門:美しく繊細な彫刻が施されています 門の前には古代の巨大本殿の柱跡

本殿の両サイドにはそれぞれ『十九社』という細長いお社があり、こちらは神在祭の間の八百万の神の宿泊所となっていて、その間は十九の扉全てが開かれるそうです。

本殿の裏に回り込むと八雲山があり、その岩の前に大国主神の先祖である素戔嗚尊を祀る『素戔(そが)の社』があります。凛とした澄んだ空気が気持ち良い所でした。実は、稲佐の浜で掬ってきた砂は、こちらの床下にある、素戔社で清められた砂と交換していただき家を清めるお守りとして持ち帰ります。盛り塩ならぬ盛り砂として? 素戔嗚尊にがっしりと力強く支え守られそうではありませんか。
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出雲山を背にした素戔社
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出雲大社での参拝はまだ終わりません。最後に本殿西側の参拝所から、本殿の中て西向きに鎮座されている大国主神の御神体と向き合う形で参拝します。そして、西側の十九社や末社。
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本殿西側からの参拝所

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十九社:境内の東西2か所にあり、神様の宿所として知られる末社

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御祭神は、八百万の神々 19枚の扉の社であることから「十九社」

ここまでで、宿を出てから2時間半が経過していました。

最後に控えているのが、出雲大社と言えば、の神楽殿の大注連縄です。50年ほど前に来た時の思い出は松並木とここしか無い!というくらい、やはりここは特別なインパクトがあります。長さ13メートル、重さ5.2トンですからね。とにかく凄い!圧倒される!という以外の言葉が見つからないほどの、さすが日本一の注連縄。直に見て、その重量感や先人の思いや技術力を肌で感じることができる時間でした。
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長くなりましたので
次回に続きます・・・

# by moonlight_ts | 2023-11-11 21:45 | 旅あちこち
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いとしきものたちとの日々は毎日が特別な日♪


by moonlight
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